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トラサポ通信

トラサポ通信(運輸のミカタVer.):2023年11月号~2024年問題と運賃交渉、ドライバー年間教育12項目⑦適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況~

運輸のミカタとトラサポでは、毎月「気になるニュース」「ドライバー教育道場」と題して、運送業界を取り巻く現状とドライバーの年間教育に役立つ情報を発信していきます。

 

今月の記事はこちら(運輸のミカタVer.は大幅な加筆修正を行った完全版です。)

    

 

気になるニュース

東京都トラック運送事業協同組合連合会(通称:東ト協連)が行った2024年問題への対応状況アンケートにて、「対応済」と答えた運送事業者は、わずか1.9%でした。今年もすでに11月だというのに対応済みの運送事業者は2%未満です。

一方、ドライバー給与のベースアップ(昇給)を「行った」と答えた運送事業者は35.5%と過去最多の割合でした。給料アップは、ドライバー不足に悩む運送業界全体で取り組むべきことだから望ましい結果と言えます。

しかし、無い袖は振れないのが世の常。ドライバーの待遇を改善するためには売上の向上、とりわけ運賃アップができないことにはドライバーの給料アップも望めません。

最低賃金が大きく上がり物価も上がり続ける今が、運賃交渉しやすい最大の好機です。このタイミングを逃さず、しっかりと時流の波に乗って運賃アップを勝ち取りましょう!

他方、2024年問題自体への取り組みへ話を戻すと、大手企業による船や鉄道の活用(モーダルシフト)や中継輸送の取組みが報道発表されますが、中小企業は目の前の仕事にいっぱいいっぱいで、そのような改善余地が少ないのが現状です。

物流業界全体での取り組みが必須ではありますが、中小企業は投資する余裕がありません。こういうところに補助金等を活用してもらいたいところです。

※事業再構築補助金等がありますが、先行投資が必要で中小には使いづらい側面もあります。それでも「2024年問題を乗り切るための施策に取り組みたい!」と前向きな事業者様はぜひご連絡ください。金融機関も巻き込んで一緒に現状を打破しましょう!

別業界(荷主サイド)に目を移してみましょう。一般社団法人日本加工食品卸協会(通称:日食協)では、ラベル貼り・棚入れは「着荷主」の業務と規定しました。

しかし、「作業が減ったから運賃下げるよ」ではまったく意味がありません。運賃やドライバー給料は維持したままで、ドライバーの拘束時間を低減する取り組みがされることが期待されます。

 

ドライバー教育道場

運送事業者が行わなければならないドライバーへの年間教育12項目の内容を、毎月少しずつ掲載していきます。

今月は「適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況」についてです。

トラック 大雪 雪道 スタッドレスタイヤ チェーン

単純な運転技術や身体管理、精神管理なども重要ですが、そもそも「安全な経路を走る」こともとても重要です。到着時間を守るために大通りの渋滞を避けるなどの効率性も大事ですが、通学路や人口密集地を避けることも大切です。

特に大雨や大雪などの異常気象時は要注意です。

大雨の際は、高架下やガード下、アンダーパス(道路の下をくぐる構造になっている立体交差)などの周囲より低い場所は冠水しやすい道路を避けるようにしましょう。冠水路は、一見しただけでは正確な深さが分かりにくいため、「行けるだろう」と思い進入しても思いのほか深く身動きが取れなくなる、なんてことはニュースを見ていても明らかです。洪水のおそれのある河川沿いの道路も同様です。

これから冬になり、雪道を走る方も多いと思います。サマータイヤのまま走るのはもってのほかですが、スタッドレスタイヤに交換しても注意が必要です。

それは、2018年(平成30年)から施行された「チェーン規制」です。

「チェーン規制」とは、大雪時の道路交通の確保を目的とされ、全国13区間(高速道路7区間、一般道路6区間)が対象です。

※対象区間

 北陸自動車道(E8) 丸岡IC~加賀IC

 北陸自動車道(E8) 木之本IC~今庄IC

 上信越自動車道(E18) 信濃町IC~新井PA(上り線)

 中央自動車道(E19) 飯田山本IC~園原IC

 中央自動車道(E20) 須玉IC~長坂IC

 米子自動車道(E73) 湯原IC~江府IC

 浜田自動車道(E74) 大朝IC~旭IC

 国道112号線(山形県) 月山道路

 国道138号線(山梨県・静岡県) 山中湖・須走

 国道7号線(新潟県) 大須戸~上大鳥

 国道8号線(福井県) 石川県境~坂井市

 国道54号線(広島県・島根県) 赤名峠

 国道56号線(愛媛県) 鳥坂峠

チェーン規制対象区間地図_国土交通省HP

もしチェーン規制が実施された際は、スタッドレスタイヤでも通行することができず、タイヤチェーンを必ず装着する必要があります。

タイヤチェーンには一般的な金属製の他、樹脂製、ゴム製、布製と様々な種類が出回っておりますが、自動車用品店等で販売されている通常のタイヤチェーンであれば問題ありません。

ただし、薬剤を吹き付けるスプレー対応はチェーン規制の対象外ですので注意してください。

降雪予報が出ている際は無理な運行は避けられるよう、日頃から荷主の理解を得ておくことも大切ですが、どうしても運行しなければならないときは、天気予報や道路情報、規制情報等を常にチェックし、時間に余裕を持った運行を行ってください。

仮にご自身がチェーンも装着して準備万端で運行を開始しても、立ち往生している車列や渋滞に巻き込まれては身の危険も感じることでしょう。

早めのタイヤ交換はもちろん、チェーンもいざというときに装着できるように訓練しておいてください。

最後に、異常気象時は視界が悪く普段以上に集中力を要するため、いざというときの判断力も低下します。日頃のイメージトレーニングが大事ですので、普段から異常気象時の運行のイメージを社内全体で共有しておくようにしましょう。

 

当社では、年間で12項目を取り扱う社内教育の講師派遣も行っております。

「人前で話すのは苦手」「何をどう伝えればいいか分からない」「上司が話すより外部の人の話の方がちゃんと聞きそう」

こんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

安全な運行のために、力を合わせて取り組んで参りましょう!

 

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