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1月, 2024 - 運輸のミカタ

トラサポ通信(運輸のミカタVer.):2024年1月号~価格交渉の指針と支援&ドライバー年間教育12項目⑨運転者の運転適性に応じた安全運転~

運輸のミカタとトラサポでは、毎月「気になるニュース」と「ドライバー教育道場」と題して、運送業界を取り巻く現状とドライバーの年間教育に役立つ情報を発信していきます。

 

今月の記事はこちら(運輸のミカタVer.は大幅な加筆修正を行った完全版です。)

 

気になるニュース

日本経済新聞で「価格交渉拒否は独禁法違反、公取委が指針 賃上げ促す」という報道がありました。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA289R60Y3A121C2000000/

ついに2024年となりましたが、2024年問題による様々な影響を、国をあげて対策しようと関係省庁が躍起になっており、国土交通省のみならず、公正取引委員会・経済産業省・中小企業庁などが、網羅的に下請け企業の荷主に対する価格交渉をサポートしています。

 

特に、中小企業庁は「適正取引支援サイト」というものを作っています(リンクは記事中ほどに貼ってあります)。

そのなかでは、資料の提供のみならず、実際に講義を行っていたり、価格交渉のロールプレイを行っていたりします(受講生同士でロールプレイをします。みなさんそれぞれが社長や営業職なので、かなりリアルなロールプレイになります)。

 

先日、数あるセミナーのなかからトラック運送業編の基礎編を受講しました。トラック運送業編と言っても基礎編ですので、交渉の基本的なことから体系的に学ぶことができ、自分自身の事務所経営にも役立てることができると感じました。

 

また、埼玉県などの各地自治体も、独自に様々なツールを公開して提供しています。

特に埼玉県のホームページでは、具体的な数値を表す資料なども公開されており、視覚に訴える交渉を行うツールとして活用できるように感じます。

 

2024年問題だけでなく、ロシアとウクライナの戦争や急激な円安の影響もあり、連日様々な物価上昇のニュースを目にします。特に燃料費やエネルギー関連費、人件費の高騰が特に大きく、仕入れがほとんど無い貨物自動車運送業界は特にダメージが大きいのではないでしょうか。

 

ここでは貨物自動車運送事業と関連が深い項目をピックアップしていきます。

(出典はすべて「埼玉県 主要原材料費等の高騰状況」より)

ガソリン価格推移グラフ

ガソリン価格は11.1%の上昇

軽油価格推移グラフ

軽油の価格は17.8%もの上昇

 

タイヤ価格推移グラフ

自動車タイヤの価格は11.8%の上昇

 

自動車保険価格推移グラフ

自動車保険の価格は4.6%上昇

 

倉庫賃料推移グラフ

倉庫の賃料は1.2%の上昇

 

自動車リースの価格推移グラフ

自動車リース料は2.2%アップ

 

自動車整備の価格推移グラフ

自動車整備に係るコストは5.1%上昇

 

電力価格推移グラフ

事業用電力の価格は17.2%上昇

 

人件費推移グラフ

人件費は3.7%の上昇

 

特に燃料費の高騰が凄まじいですね。ガソリンは11.1%、軽油に至っては17.8%も上昇しています。

自動車整備に関する費用は5.1%の上昇。整備士の人件費だけでなく自動車部品代の高騰も影響していると思われます。

電気代は昨年同時期をピークに落ち着いてきましたが、それでも17.2%の上昇です。

人件費は3.7%と率にしては小さく感じますが、ここに社会保険料などの法定福利費が掛かってきますので、実質負担率はさらに大きいと感じます。

 

いかがでしょうか。

これだけ様々なコスト増が数値化されると、少しくらい値上げしてくれてもいいじゃないかと思うのが普通の感覚だと思います。

ぜひ御社の原価を計算していただき、価格交渉をしていっていただければ幸いです。

 

最後に、中小企業庁の「適正取引支援サイト」と、埼玉県が公開している各種支援ツールのリンクを貼っておきますので、よかったら参考になさってください。

経済産業省 中小企業庁 適正取引支援サイト (tekitorisupport.go.jp)

価格交渉に役立つ各種支援ツール – 埼玉県 (saitama.lg.jp)

 

ドライバー教育道場

運送事業者が行わなければならない年間12項目の教育内容を、毎月少しずつ掲載していきます。

今月は「運転者の運転適性に応じた安全運転」についてです。

 

3年に一度、すべてのドライバーに対して一般診断の受診が推奨されています。

義務ではありませんが、毎年の年間教育(まさに今回の項目!)で使用することになりますし、何年も前に受診した初任診断の結果を使い続けるのは、いささか疑問が残りますよね。人間の体と心は刻一刻と変化していますので、できることなら定期的に受診した方がその効果は大きいです。

 

客観的に自分の特性を見せられるのは耳が痛い反面、翌日から車間距離や一時停止をいつも以上に気にしたりするのは、皆さん経験あるのではないでしょうか。また、運転免許更新の動画も当たり前のことを言っていますが、その帰り道にはいつも以上に安全を意識することでしょう。

 

一方、運行管理者の方は、診断評価が低いドライバーと面談する場合でも、それを非難してはいけません。ドライバー自身がなにかを気づき、改善方法を共有すればそれでいいのです。

結果を見てこちらからあーだこーだ訴えるのではなく、「なにか気づくことはありますか?」と傾聴の姿勢でドライバー本人に言わせることがとても大切です。

 

適性診断の受診も社内での教育も、すべては安全安心な運行のためですね。

本日もご安全に!

 

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