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トラサポ通信(運輸のミカタVer.):2024年4月号~標準約款改正、シン標準運賃告示&ドライバー年間教育12項目⑫安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法~

標準運賃改正とASV車両の運転方法

運輸のミカタとトラサポでは、毎月「気になるニュース」と「ドライバー教育道場」と題して、運送業界を取り巻く現状とドライバーの年間教育に役立つ情報を発信していきます。

今月の記事はこちら(運輸のミカタVer.は大幅な加筆修正を行った完全版です)

気になるニュース

標準約款の改正

標準約款は荷待ち・荷役作業等の運送以外のサービスの内容が明確化され、「積込み又は取卸し等」が第3章として独立しました。書面交付、利用運送手数料別建て規定、荷主への実運送事業者通知制度なども追加されました。

標準運賃は8%程度アップのものが告示されました。2時間以上の待機時間は5割増など、運賃とそれ以外の対価を別でもらうようになっています。4月1日から改善基準告示で拘束時間等が短くなるので、運賃UP、賃金UP、労働時間短縮で物流を維持していきましょう。

※標準約款に関しては別の記事で詳細な解説を行っておりますので、よろしければそちらもあわせてご確認ください。

 

ドライバー教育道場

運送事業者が行わなければならない年間12項目の教育内容を、毎月少しずつ掲載していきます。

今月は「安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法」についてです。

 

ASVの技術が発達し、その恩恵にあずかってる人も増えていますが、特性と限界を知っておく必要があります。

ASVとは「Advanced Safety Vehicle」の略で、「先進安全自動車」と訳されます。完全自動運転(レベル4)とまではいかなくとも、車両全体に設置された数多くのカメラやセンサーで車両周囲の環境を監視し続けることで事故の発生を予防したり、発生した事故の影響を軽減するための技術が組み込まれています。また、自動運転技術も組み込まれているため、疲労軽減効果が期待されます。

ASVの主要な機能は以下の通りです。

 

・衝突回避支援

自動ブレーキや警告システムを用いて、追突事故の被害を軽減または回避することを目的とした先進安全装備です。

衝突が避けられないとシステムが判断した場合には、自動的にブレーキ制御が行われる車種もあります。

 

・ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御機能)

車両前方に設置されたセンサーが障害物を認識している状態で誤ってアクセルペダルを踏み込んでしまった場合、警告音でドライバーに踏み間違いを伝えると同時に、アクセルペダルを踏み続けてしまってもエンジン出力を抑え、数秒間、急発進を抑制する先進安全装備です。

 

・車線逸脱警告(ふらつき注意喚起)

ドライバーが意図せずに車線を逸脱しそうになったときに警告を出すことで、事故を防ぎます。

 

・リアビークルモニタリングシステム(後側方接近車両注意喚起装置)

自動車にはサイドミラーやバックミラーには映らない死角が斜め後ろに存在します。

走行中、この死角に他の走行車両がいることをドライバーに知らせ、主に車線変更での衝突事故を防ぐことを目的としています。

 

・運転者状態監視

疲労や注意散漫を感知して警告するシステムで、運転者が安全な状態で運転を続けられるよう支援します。

 

・夜間視界支援

暗い環境での視認性を向上させるための照明システムや、カメラによる映像補助があります。ロービームとハイビームを自動で切り替える技術もこれに該当しますね。

 

・歩行者検知・保護

歩行者を検知し、必要に応じて自動でブレーキをかける技術です。

 

また、ASVに組み込まれる自動運転技術の主な要素は以下の通りです。

 

・アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)

車両が先行車との安全な距離を保ちながら速度を自動調整するシステムです。

 

・自動駐車アシスト

駐車スペースへの車両の誘導と操作を自動で行う技術です。

 

・自動車線維持支援(LKA)

車線内での車両の位置を自動で調整し、車線の逸脱を防ぎます。

 

ふらつきの注意喚起装置やレーンキープアシスト、衝突回避支援など便利な装置があります。これらにより長距離輸送の疲労は軽減されますが、実際にはその機能を過信して事故を起こしてしまうケースも少なくありません。

実際に、運転席後方の荷物を取ろうと脇見運転となり、前方の渋滞に気付くのが遅れて5台を巻き込む多重事故を起こしてしまい、結果として死亡者も出た事例もあります。衝突回避支援はあくまで「支援」ですのでぶつかることを100%防ぐわけではありません。

また、警報がイチイチうるさいからといって機能を停止してしまうドライバーも少なからずいるようです。

 

支援機能を過信せず、逆に自分の運転技術も過信することなく、装置の限界や自分の運転特性をしっかりと把握して、目指すは事故ゼロです!

 

本日もご安全に!

 

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