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シリーズ【運行管理】点呼の実施及びその記録、保存は適正か

点呼の実施及びその記録、保存は適正か

 

運送事業を行う上で絶対に避けて通れない業務のひとつが「点呼」。
ここでは、点呼のやり方、タイミング、記録の付け方などの基本をおさえましょう。

点呼の大前提

 

点呼は、運行管理者等が必ず対面で行うこととされています。
(泊り運行など運行上やむを得ず対面で実施できない場合を除く)

 

点呼の大前提

点呼の基本は【対面】

 

近年、ドライバーの労働時間の長期化問題に関する対応とIT化、デジタル化の時代の潮流を受け、『対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法』というものが複数制定されました(IT点呼等)。これらは対面で行ったに関しては別の記事で詳しく解説しておりますのでそちらをご参照ください。(準備中)

 

参考:貨物自動車運送事業輸送安全規則
第7条 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の業務に従事しようとする運転者等に対して対面により、又は対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法。次項において同じ。)により点呼を行い、次の各号に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示を与えなければならない。
 一 運転者に対しては、酒気帯びの有無
 二 運転者に対しては、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
 三 道路運送車両法第四十七条の二第一項及び第二項の規定による点検の実施又はその確認
 四 特定自動運行保安員に対しては、特定自動運行事業用自動車による運送を行うために必要な自動運行装置(道路運送車両法第四十一条第一項第二十号に規定する自動運行装置をいう。)の設定の状況に関する確認
2 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の業務を終了した運転者等に対して対面により、又は対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法により点呼を行い、当該業務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況について報告を求め、かつ、運転者に対しては酒気帯びの有無について確認を行わなければならない。この場合において、当該運転者等が他の運転者等と交替した場合にあっては、当該運転者等が交替した運転者等に対して行った第三条の二第四項第四号又は第十七条第四号の規定による通告についても報告を求めなければならない。
3 (省略)
4 (省略)
5 (省略)

 

点呼の種類~タイミング~

 

点呼の種類

点呼はタイミングによって3つに分類される

 

1.業務前点呼

 

業務開始前に行う点呼のこと。
具体的には『車両の日常点検 → 点呼 → 運行開始』の流れになるので注意が必要。
泊り運行等で遠隔地での業務開始で無い場合は必ず対面で行うこと。
点呼記録簿への記載事項は以下の通り。

 ① 点呼執行者名
 ② 運転者等の氏名
 ③ 運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
 ④ 点呼日時
 ⑤ 点呼方法
  イ.アルコール検知器の使用の有無
  ロ.対面でない場合は具体的方法
 ⑥ 運転者の酒気帯びの有無
 ⑦ 運転者の疾病、疲労、睡眠不足等の状況
 ⑧ 日常点検の状況
 ⑨ 指示事項
 ⑩ その他必要な事項

 

2.業務後点呼

業務終了時に行う点呼のこと。
泊り運行等で遠隔地での業務終了で無い場合は必ず対面で行うこと。
点呼記録簿への記載事項は以下の通り。

 ① 点呼執行者名
 ② 運転者等の氏名
 ③ 運転者等が従事した運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
 ④ 点呼日時
 ⑤ 点呼方法
  イ.アルコール検知器の使用の有無
  ロ.対面でない場合は具体的方法
 ⑥ 自動車、道路及び運行の状況
 ⑦ 交替運転者等に対する通告
 ⑧ 運転者の酒気帯びの有無
 ⑨ その他必要な事項

 

3.中間点呼

 

2泊3日以上の泊り運行や、分割休息を活用する際など、業務の前後どちらも対面で点呼を行えないときは、その業務の途中でこの中間点呼を行うこととされています。確認事項は「酒気帯びの有無」「疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無」の2点で、これに加えて運行の安全を確保するために必要な指示をすることとされています。

※要注意ポイント!
業務前後いずれかで対面点呼ができないとき(1泊2日運行)に中間点呼が必要だと認識している方がいらっしゃいますが、それは誤りです。中間点呼はやらなくて大丈夫です!
また、1泊2日運行での初日の業務後点呼や2日目の業務前点呼を中間点呼と呼ぶ方がおりますが、これも誤りです。中間点呼はあくまでも業務の途中で行う点呼のことを指します。電話点呼=中間点呼ではありませんので、こちらもご注意ください。

 

点呼記録簿への記載事項は以下の通りです。

 ① 点呼執行者名
 ② 運転者等の氏名
 ③ 運転者等が従事している運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
 ④ 点呼日時
 ⑤ 点呼方法
  イ.アルコール検知器の使用の有無
  ロ.具体的方法
 ⑥ 運転者の酒気帯びの有無
 ⑦ 運転者の疾病、疲労、睡眠不足等の状況
 ⑧ 指示事項
 ⑨ その他必要な事項

 

参考:貨物自動車運送事業輸送安全規則
第7条
3 貨物自動車運送事業者は、前二項に規定する点呼のいずれも対面により、又は対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法で行うことができない業務を行う運転者等に対し、当該点呼のほかに、当該業務の途中において少なくとも一回対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法(当該方法により点呼を行うことが困難である場合にあっては、電話その他の方法)により点呼を行い、第一項第一号及び第二号に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。

 

対面点呼の種類

 

対面点呼の種類

特殊な点呼は大きく分けると4つに分類される

 

冒頭、『対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法』が複数あると書きました。これが『IT点呼』『遠隔点呼』『業務後自動点呼』『受委託点呼』です。『受委託点呼』は正確には対面点呼を行っているのですが、ここでは特殊な点呼として列挙しておきます。
(それぞれの詳細は別記事「シリーズ【運行管理の高度化】IT点呼、遠隔点呼、自動点呼の違い」等をご覧ください)(準備中)

 

まとめ

 

点呼は、運行管理業務の要と言っても過言ではありません。
点呼をしないことでドライバーの体調の変化に気付けず、飲酒運転や居眠り運転、それに伴う事故を招いてしまった事業者を数多く見てきました。そのほとんどに監査が入り、車両の使用停止等の行政処分を甘んじて受けています。

 

法律で決まっているから仕方なくやるものではありません。
すべては事業法制定の目的でもある「輸送の安全を確保する」「貨物自動車運送事業の健全な発達を図る」「公共の福祉の増進に資する」ためです。

 

安全無くして発展も社会貢献もありません。
そのための第一歩として、点呼は正しく行いましょう。

 

本日もご安全に!

 

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